株式会社ごはん
大島 知美

命を育てる米を育てて

独自の有機栽培に取り組む、米作りのパイオニア。そんな賢者を突き動かすのは、かつてお客が発した冷たい一言だった。よりよい米を求め、泥をかきながら繰り返した試行錯誤。その果てに掴み取った、農業の未来とは。

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賢者プロフィール

氏名 大島 知美
会社名 株式会社ごはん
出身地 新潟県
出生年 1955年
こだわり 命を育む食の生産
趣味 作物を触る事
特技 スキー
休日の過ごし方 妻とショッピング
座右の銘 失敗は成功のもと
好きな食べ物 お米
尊敬できる人 何事にもチャレンジする人

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    兄弟3人の末っ子。姉2人、女の中に男一人、跡取りとして大事に育てられました。下船渡小学校に通い、冬の豪雪時は道が雪により埋まり、1.5㎞の道のりを父兄2人がすかりというかんじきの大きなもので道を作り、その後を子供達その最後に父兄が一人につきカバーしながら3時間かけて通学しました。中学時代はバスケット部でしごかれて登校拒否になり、父親にみつかりこっぴどく叱られ殴られた事もありました。農家の跡取りと父親に言われ農業専門高校へ進学。現在は高校は廃止されましたが、高校の時いろいろエンジョイしすぎて暴力事件を起こし退学寸前の停学になったこともあります。退学を恩師の取りなしよりに助けられ、何とか高校を卒業させてもらいました。

  • 社会人時代

    卒業と同時に農業が嫌だったので、父親を騙して買ってもらった車で暴走族になり、バーテンダーとして働き跡取りから逃げまわりました。23歳の時に叔父に説得され家に戻り、農家の跡を継ぐ事になりました。いやいや農業をやっていましたが、25歳で結婚しました。冬の間は出稼ぎに出ていたので、愛知県より妻を迎えました。結婚を期に農業に力を入れるようになり、反収を上げるために努力し、720㎏を達成しました。33歳の頃アメリカ研修に参加し、アメリカ農業のあまりにも大規模さを目にし今の農業では駄目だと悟り、有機農業に目覚めます。安心・安全を目指し始めました。肥料メーカーに勧められたことで、江花微生物農法を出会い感化され、農業仲間(地元)6人と農法を始めました。

  • 起業のきっかけ

    両親が遅くまで作業をしているのを幼い頃から見てきたので、農業はやるもんじゃないと感じて実家を飛び出していましたが、叔父から呼び出され、こんこんと「お前は跡取りなんだから」と諭されました。仕方なしに家に戻りましたが、実家の農業は、朝の4時とか日の出の前から起きて、まずは田んぼの水管理から始まります。6時頃家に戻り朝飯、すぐ作業、こんな事の繰り返しでした。まわりの勤め人を見て、なんで百姓はこんなに朝から晩までやらなければならないのか、毎日をもんもんと暮らしておりました。儲けるにはとにかく収量をあげ収入を増やすしかない、との一心で多収を達成しました。ある時、そのお米をお客様に送った時、「なにこれ?」と言われました。「えっ、どうしたんですか」と聞くと、こんなお米食えたものではない!と次回のお米は要りません、と断られてしまったのです。多収によってお米にとって肝心な味が落ち、評判も下がり1/3のお客様がいなくなってしまいました。収量を増やすという事は稲に無理をさせる事で、お米の食感はボロボロとなり、ねばり・コシ・香りが全然なくなり、魚沼産コシヒカリのブランドのかけらもなくなってしまうのです。じゃあ収入を増やすにはどうすれば、これから求められる魚沼産コシヒカリ、お米とは何か、収量は少なくても美味しいと言ってもらえるお米、更に付加価値を高め、人の体に良い日本本来の文化を活かした米作りをしなければいけないのではないか、それは何だ、誰もがやりたがらない有機栽培しかない!と感じたことが有機栽培を始めようとしたきっかけです。

  • 現在の事業

    条併により有機栽培が出来ない農地も出てきます。現在は17haのうち、13haが有機栽培、残り2haが極力農薬・化学肥料を使わない特別栽培という方法を用いて行なっています。有機栽培は農薬・化学肥料は一切使えません。特別栽培という規定は農薬・化学肥料を50%以下に減らさないと特別栽培とは言えません。会社の特徴は有機栽培、特別栽培をしながら六次産業といわれるものに取り組んでいます。平成6年より餅加工をはじめ、包装米飯製造、最近はグルテンフリーバン・クッキーの製造も手掛けています。幸い弊社では、水田12ha(有機9ha、特栽3ha)畑5ha(すべて有機栽培)という耕作をしているので、加工もお餅を主力に、お餅の中に入れる黒豆・よもぎも有機畑があるので全て有機で作る事ができます。自社で完結できるものは全て自作で作付け製造し、加工工場も全て有機認証を取得し、JASマークのついた加工品を製造しています。

  • 今後の展望

    他社のやれない有機栽培、有機食品の生産・加工を重点に商品を増やし、免疫力の落ちた人々の体に「生きる力」を育む食を作り、美味しい・安心・安全は当たり前という思いを大切に邁進して参ります。また、誰もがやりたがらない、有機栽培の安定化を図る事にも注力をし、栽培ノウハウの確立を目指しています。現在の若者は楽な仕事・簡単な仕事・機械的な仕事はこなせますが、体力的・面倒な仕事はやりたがらない人が殆どだと感じます。栽培現場の改善・後継者の育成にも注力しなければならないと思っております。ようやく販売面も少しずつ安定化して来ました。人様の口に入るという事は命を預かるという事。ごはんの米・加工品を食べて体が調子いいとか子供達のアレルギーが治ったとか、命を預かる者として一番欲しい言葉であります。こういった言葉をいただけるように更に邁進していきます。また、このような思いをもった若者が是非欲しいです!

  • 若者へのメッセージ

    65才になって人生って短いなぁと思っています。やりたい事がみつからない!ではなく、若い時に何でもチャレンジし、経験してみる事が一番大事です。私は常に農業者ではなくて、百姓になれ!農業者はただ言われた事・習った事をやるだけ。百姓は百以上の事がやらなければ百姓とは言えません。百姓はプロです。又、一生懸命やっていれば何かが見えてきます。又好きにもなってきます。やっているうちに使命感をもてるものもいっぱいあります。言い訳ばかりしないでとにかく一生懸命やってみる事が大切です。世の中の役にたつように!

会社概要

企業名 株式会社ごはん
所在地 新潟県中魚沼郡津南町下船渡己5895
業種 その他
設立 1991年
資本金 4,000万円
従業員 14名
事業内容 農業の六次産業の推進・生産・製造・販売
URL https://gohan-company.com

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