KENJA GLOBAL(賢者グローバル)

中国木材株式会社
堀川 智子

日本を変える。
林業を変える。

中国木材は、国内シェアナンバーワンの製材メーカー。 林業の衰退が叫ばれる木材産業にあって、年間約1200億円を売り上げる。 経営を支えるのは、公認会計士の資格を持つ女性社長。 女性が家業を継ぐという発想すらない時代に、賢者が選んだ人生の道筋とは。

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賢者プロフィール

氏名 堀川 智子
会社名 中国木材株式会社
出身地 広島県
出生年 1966年
こだわり 全力投球、諦めない
趣味 バックパッカーのような海外旅行
特技 ピアノ、電卓
休日の過ごし方 朝寝坊してゆっくりブランチ取りながら溜まったビデオを鑑賞
座右の銘 因果応報
好きな食べ物 ミンチ肉を使った料理、マンゴー
尊敬できる人 渋沢栄一、稲盛和夫、父

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    祖母からはお米の一つぶまで残さないで食べるようにと言われ、父からは無駄な電気はすぐ消し、短くなった鉛筆は2本のお尻をホッチキスで留めて使うよう教えられ、とにかく無駄遣いせず節約することを刷り込まれて育ちました。スキーに行ったときは、父からリフトの一日券を渡され、回数券の単価で割った回数以上滑って元を取るよう言われ、兄弟姉妹で競っていました。母からは倒産したら夜逃げしなければならなくなると言われ、家業の助けになればと公認会計士を目指すようになりました。高校1年の学園祭では、クラスで模擬店をやろうと言うことになり、細かい収支計算を記載した計画書を提出したところ、「人気の模擬店枠は上級生に割り当てられるのが普通だけど計画書が良かったから選ばれた」と言われ、嬉しかったのを覚えています。振り返ってみると、知らず知らず経営を教えられていたのかもしれません。

  • 社会人時代

    公認会計士になり東京の監査法人に就職しましたが、試験に合格した人ばかりの中で、要領が悪く、また興味が監査より経営や税務にあったこともあり、落ちこぼれ状態でした。それでも5年目位から現場の責任者を任され、現場の収支管理や部下の業務管理等、多くを学びました。一方、3月決算終了後は一時的に閑散期があったため、少し長めの休みをもらい、海外へバックパッカーのような冒険旅行に一人で出かけるようになりました。まだインターネットが普及していなかった時代、『ABロード』で安い飛行機チケットを探し、『地球の歩き方』をバイブルに、図書館でアトラスの地図を広げて調べたり、NHKのラジオ会話でその国の言葉を勉強したり、準備に時間をかけて、清水の舞台から飛び降りる気持ちで出発していました。いろいろな経験をし、頑張れば何とかなる、という度胸が付いたと思います。

  • 就任のきっかけとその当時

    父が80歳手前となり、突然「社長をやれ」、と言われました。私は父の長期的ビジョンを描く才能を信じていたので、そのビジョンをどうやって実現するかに注力しました。また会社が急成長する中、戦略が伝わっていないことに加え、社員教育が追い付いておらず、「今後を背負ってくれる中堅社員に何を教えるべきか」を理解している人も少ない状況でした。そのため役職者研修を定期的に行うこととし、自分が話す時間をもらい、質問時間も設け、会社の考えや方向性を伝えると共に、社員がどう考え、何を期待しているか、といったことを理解するようにしました。そして今では昇進試験という位置づけになった試験問題も自ら作りました。これらは今も続けています。

  • 現在の事業

    もう一つ就任当初から胸に刻んでいる思いがあります。それはしっかりした財務基盤を築かなければならない、ということです。リーマンショックの前後、2期連続大赤字となり、銀行の貸し渋りに合い、対応に追われた時期があります。直前期は、リーマンの原因となったサブプライムローンを中心とした金融バブルで、原木を運ぶ外航船の運賃やその燃料である重油が暴騰して大赤字、リーマン後は大不況で住宅着工が激減して大赤字となりました。財務体質が不安定だと素晴らしい長期戦略があっても、金策に追われ、前向きな経営に専念できません。母から言われた夜逃げの話もずっと頭の片隅にあり、会社を潰してはいけない、という思いを胸に抱えています。ですので財務基盤を強固にしつつ、国産材の活用、非住宅の木造化、バイオマス発電、山林の取得と育林等、木材で繋がり環境にも貢献できる事業に取り組んでいます。

  • 今後の展望

    国産材をしっかり活用できる体制を整え、林業を効率化して活性化し、山を元気にしたいと考えています。日本の林業が衰退している原因の一つが、小規模で近代化が遅れていることです。先進的な林業は高性能の林業機械をロボットのように操り、人日当りの生産性が10倍以上の国もあります。大規模化しなければ高性能の機械を搬入する立派な林道を作ることもできず、規模が小さければ機械を搬送するコストの方が高くなります。先進的な林業経営を目指して、山林の取得にも力を入れています。現状、自社林では、「伐ったら植える」を励行しています。SDG'sは、誰かの犠牲の上に成り立つのではなく、関係者みんなが潤う世界を目指しています。山主も林業家も製材業者も経済合理性の上で適正な利益を得、木を使った建物で多くの人が癒され、得られた利益で植林を行い、次の世代に森林という財産を繋いでいく循環型システムを構築したいと考えています。

  • 若者へのメッセージ

    やる前から難しそうだとか面倒くさそうと思って、簡単に諦める人が多いように思いますが、やる前から諦めたり敬遠したりしないで欲しいです。イチロー選手のドキュメンタリーで「遠回りだと思えたことが結局一番の近道だった」と言っていました。一つ一つ地味な基礎練習を積み上げていくことを指しています。昭和の人間だと言われそうですが、結果は後から付いてくるものだと思っています。自分で考え、自分でやってみて、躓きながら、一つ一つ実現させていって欲しいと思います。

会社概要

企業名 中国木材株式会社
所在地 広島県呉市広多賀谷3-1-1
業種 製造
設立 1955年
資本金 1億円
従業員 2,552名
事業内容 製材、木材加工、木材の輸出入、バイオマス発電
URL http://www.chugokumokuzai.co.jp/
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