KENJA GLOBAL(賢者グローバル)

株式会社エリオニクス
七野 実

ナノテクノロジーで
世界ブランドの確立

「宇宙の果てがどうなっているのか?」「石油がなくなってしまったらどうなるのか?」など、小さい頃は勉強よりも自然科学に興味を抱いていた賢者。数十年後に世の中を一変させるイノベーションな研究に装置メーカーとして携さわり、時代をリードする新たな事業に動き出す。

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PROFILE

賢者プロフィール

氏名 七野 実
会社名 株式会社エリオニクス
出身地 兵庫県
出生年 1962年
こだわり 納得するまで取り組む
趣味 ゴルフ
休日の過ごし方 愛犬と散歩、妻とドライブ
座右の銘 楽な仕事は無い、楽しい仕事はある。
好きな食べ物 寿司、カニ
尊敬できる人 土光敏夫

HISTORY

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    小学生の頃から自然界の不可思議なことや宇宙やエネルギーのことを調べたりするのが好きでした。当時は、石油エネルギーが後35年で枯渇するといわれていましたので、子供なりに自分が大人になる頃には石油がなくなり車などはどうなるのかと真剣に悩んで先生に相談したことがありました。今思えば変な小学生でした。学校は決められたカリキュラムが嫌で勉強しなかったので成績は常に下の方で母親には心配をかけていました。父は、職人気質で良く叱られていましたが中学校の入学式の帰り道に「これからは叱らん。自分のことは責任を持って行動しなさい。」と言われたことが忘れられません。その時、背筋が伸びたような記憶があります。大学時代は、3年生で卒研以外の単位を全て取得し一年間休学をしてオーストラリア一周の旅をしました。先ずはアルバイトでお金を貯め往復の格安航空券だけを買って後は行き当たりばったりのバックパッカーの旅でした。そこで目にした大自然や異国の文化に多くの感動がありました。当時まだ日本人は少なく旅の途中で巡り合ったオーストラリアの人々やアボリジニという先住人、他国のバックパッカー達の人生観や考え方を知り見聞を広めました。その経験が、その後の人生や仕事に影響したように思います。

  • 社会人時代

    大学は工学部を卒業し仕事を通じて多くの方と関わりを持て幅広く産業界を見ることができると思い、大手産業機器商社に就職しました。配属は営業でしたが技術商社でもありましたので上司にお願いし先ずは技術力の習得の為に技術部門に出向させてもらっていました。しかし、3年後にバブル経済が訪れ営業部門が忙しくなり営業に呼び戻されました。何も努力しなくても物が飛ぶように売れていく異常な状態を目の当たりにし何処かで冷静に俯瞰していたように思います。その後、バブル経済とは関係が少なく製造業として真面目に取組んでいる会社。そして科学技術に携われる仕事への思いが芽生え現在のエリオニクスに転職を決意しました。そこでも営業職としたのは多くの研究者の方々と接点を持ちたかったからです。営業部長時代は休みをほとんど取らず管理職として無我夢中で働いた時期がありましたが、担当営業時代は仕事を通じお客様の最先端研究の想いや夢を聞かせてもらって楽しんでいたと思います。単に装置を売りたいのではなくお客様の立場になった考えが伝わり、後にエリオニクスの装置にして良かったと言って頂いた際は、大きな信頼関係が築けましたし営業冥利でもありました。これまで、お客様の多くの研究を見ることができ、装置メーカーとして10年20年後に世の中を一変させるイノベーションな研究にも携さわれました。その一翼を担え科学技術の発展に貢献できたことは私の誇りになっています。

  • 就任のきっかけとその当時

    エリオニクスでは私が5代目の社長となります。幸いにも、歴代の経営者が経営資源を確りと築いてくれていましたので、その資源を活用し次のステージとして成長軌道を目指しました。社長を就任して先ず始めたのは中国市場への進出です。海外はこれまで代理店を通じての販売を行っておりましたが、社長就任前から何度も中国に出張しその商流から現地法人が必要と判断し設立に取り組みました。社員他多くの方のお力添えのお陰で社長就任一年後にElionixChinaの本格活動に至りました。予想以上の社員の活躍により今では売上に大きく貢献しています。あわせて、製造業として社員の意識改革を進めました。そのため創業時から45年続けてきた年功序列型賃金体制から成果型賃金体制に切り替えました。このことにより今まで以上に社員が製品開発の進捗や生産コスト、売上と利益率などそれぞれの目標意識をしっかり持ち仕事に取組んでくれています。また、これまで研究開発部門や生産部門、管理部門など多くの社員は自社の装置が何の研究に利用され将来どう活用されていくのかを知る機会が殆どありませんでした。ですから、納入先の用途やお客様の喜びの声の事例を上げて自社の貢献内容を共有することで仕事へのモチベーションを高められるように取組みました。

  • 現在の事業

    エリオニクスは、理化学機器メーカーとして、科学技術の発展に貢献することを担っています。エリオニクスとして日本の科学技術力の向上、世界の科学技術の発展に役立つことで人類が豊かになることを願っています。弊社のビジネスモデルは、ファブレスの製造業の形態をとり製品開発を主力事業としています。本社近くにクリーンルームを装備したナノテクシステムセンターを構え製品の最終組立、調整、検査を行ってお客様に納入しています。微細加工部門では、極超微細加工装置として電子線を応用した電子ビーム描画装置は3㎚という世界一細い線が描ける装置などがあり、イオンビームで基板を加工するエッチング・成膜装置も備えています。この両方のプロセスを可能とする装置を製造しているのは世界でも弊社だけですのでこの強みを活かした営業展開を行っております。ステークホルダーに対し信頼と貢献ができる会社にすることは当たり前ですが、その中でもお客様に価値のある製品を提供して行くこと。利益の為に仕事をするのではなく利益が出るくらい良い仕事をすることです。特に製品開発に於いては、お客様の声から最先端の研究テーマを理解し顕在化されていないニーズまで捉え装置を開発していくことで付加価値の高い装置となり、お客様の満足感が高くその対価として会社の利益となり社員の利益に繋がっていきます。これらのことを全社員が共感できる会社にしていきたいと考えています。社員は、有難いことに私より真面目で能力が高いので、できるだけ重要な仕事も任せている中、どんどん仕事を進めてくれる社員や自信に溢れはつらつとして仕事をする社員も多く、その様な積極性のある社員は高く評価し応援するようにしています。

  • 今後の展望

    ナノテクノロジーで世界ブランドを確立することです。1975年の創業時は、日本の半導体産業が成長期であったこともあり半導体に特化した研究開発向けの装置や大手半導体メーカーからのOEM製品を事業としていました。第二創業としては、バブル経済の崩壊後、日本の半導体産業は衰退し半導体関連装置からナノテクノロジーの研究開発装置へ事業を転換していきました。そして現在を第三創業として位置付け、詳細には話せませんが研究開発装置のみならず生産向け装置メーカーとして事業を拡大させ計測分析装置も含めたグローバルな展開を行い世界のナノテク業界から頼りにされる装置メーカーを目指します。また、この生産向け装置は販売だけでなく受託加工を行うファウンドリ事業の展開を目指そうと考えています。通信用デバイスやナノインプリントモールド、IOTセンサーなどは今後ますます需要が伸び増産が必要です。そのことから世界のハイテク企業から問合せが増えておりますので新たな事業として近い将来取組んでいく予定です。

  • 若者へのメッセージ

    万人、時間軸は平等です。同じ時を過ごすなら大きな夢を持った人生の方が楽しい。仕事の夢、家族の夢、趣味の夢、密かな夢、人それぞれですがその夢を実現するための道はいくらでもあります。失敗を恐れずにやってみてください。それでも失敗したらやり直せばいい。本気で取組んでいると何かが身についているはずです。夢の実現に向けて歩んでいる時、夢が少し見えてきた時、そして夢が実現できた時、その時々の人生は楽しい。そして何ものにも代え難い充実感があります。

COMPANY

会社概要

企業名 株式会社エリオニクス
所在地 東京都八王子市元横山町3-7-6
業種 製造
設立 1975年
資本金 2億7,000万円
従業員 101名
事業内容 電子・イオン等の粒子線、および光・X線等の電磁波に関する技術を応用した各種機器・研究・開発・設計・製造・販売・輸出入・保守サービス等
URL https://www.elionix.co.jp/index.html
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