KENJA GLOBAL(賢者グローバル)

株式会社一休
金子 清範

日本一の拠り所を
目指して

2020年コロナウィルスの蔓延により、全国的に飲食店が閉店に追い込まれる状況の中で社員を第一に守りコロナ渦を乗り越えた企業があった。3代目となる賢者は創業当時から約50年間出来るだけ安く提供したいという気持ちから、日本一安い居酒屋を目指し奮闘している。コロナ渦で会社の窮地を救った賢者の成功のヒントをみた

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PROFILE

賢者プロフィール

氏名 金子 清範
会社名 株式会社一休
出身地 東京都
出生年 1976年
こだわり 信念を貫く事、思いやりを持って物事を考える事
趣味 おいしいものを食べる、野球観戦、お酒、子育て
休日の過ごし方 子供と一緒にいること
座右の銘 温故知新
尊敬できる人 渋沢栄一

HISTORY

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    両親が店舗運営で忙しく、ほぼ家庭にいなかったため、祖父母、兄と長く生活をしていました。保育園は老人ホームに入居される方々と交流が多かったため、穏やかな性格でした。そのためか中学までは勉強を強いられることもなく、大好きな野球に一所懸命取り組んでいました。「プロ野球選手になろう!」と考えていましたが、高校進学は野球の強豪校である浦和学院に推薦で行けず、家業である居酒屋の店舗数が増えていることもあり将来のため商業高校へと進みました。高校時代はそれまでに培った積極性も表れはじめ、生徒会長を務めました。高校卒業後の1年間、大阪の辻調理師専門学校に通うと決めましたが、学費が高く親に心配をかけないよう「学費を払ってくれたら、生活費は全部バイトで稼ぐからいいよ」と伝えたところ本当に仕送りが1円もありませんでした。1日100円~200円の生活が1年間続きましたが、目的である調理師免許を取得しました。

  • 社会人時代

    大阪での専門学生時代に串揚げ屋でアルバイトをしていたので、当初、就職は串揚げ屋を考えていましたが、初任給が約13万円であることを知り驚きました。このまま大阪に残り生活を続けていくことは厳しいと考え、それならば一度経営を学んでみようという考えで東京へと帰京後に家業に入りました。入社後は一般社員として基本となる調理およびホール業務を長年経験しました。上司や部下の信頼を得て副店長、店長、ブロック長という営業経験を積み上げ、次に仕入れ業務や店舗立ち上げも経験しました。そして母が担っていた経理業務に携わることで本部にて勤務をすることになりました。

  • 社長就任のきっかけとその当時

    1975年、父が26歳の時に1人で高円寺に「居酒屋一休」を立ち上げたことがすべての始まりです。創業時から母が経理を担当し父と二人三脚で一休を育ててきました。私も一休を育てていきたいと思い、常務に就いてからは企業経営を学び、入社から25年で代表取締役社長に就任しました。父親としても様々な経験をしましたが、全てを通じて相手の立場になって考えることが「経営」において重要だと学びました。当時、様々な面に携わったことで、部署間に多少の摩擦があり、環境によって店舗営業に少なからず影響が出ていたことをずっと気にかけていました。本部では営業部や業務部のスタッフが来てもすぐに帰ってしまい、周りにほぼ人がいないような環境。そういうのを見ていると、思いやりをもっと持ってほしいなど、色々な感情がありました。環境改善や従業員とその家族を守るため、コロナ禍で飲食業には多くの課題もありましたが社長就任を決心しました。

  • 現在の事業

    今はいろいろな職種が選べる中でも、この飲食業界を選んでもらえるように、「一休」の良さをもっと知ってほしいと思っております。現在は、多摩湖梨の商品開発を進めており、規格外品など農家さんが販売できない農作物を仕入れ、商品として販売できるようにメーカー様と協力して販売しております。業界でもこういった取り組みの先駆者として挑戦しております。また、「社員教育」にも注力しております。社員の半数くらいは、アルバイトから社員になってくれていますので、一緒に頑張ってくれている社員たちを見守れる上司たちへと教育することが大切です。それにはまず人と人とのコミュニケーションが重要なのですが、仕事量が多く大変なことも多いと思います。だからこそ、協力することの面白さや仲間の大切さに気づけます。そんな環境を創り続けるためには、社会貢献、地域貢献、65歳まで働ける会社づくり、SDGsへの取り組みなど、新しいことに挑戦し続けていくことが必要だと感じております。

  • 今後の展望

    新しい挑戦をし続けていくことです。「一休」というグループの名前をつけて新業態の展開を続けていますが、もう一つ新しい業態を創って、今後盛り上げていきたいと考えております。新業態は挑戦となりますが、その一つが大人の隠れ家「吉祥寺祐助」です。利益を出せるお店を出していきたいと思っておりますが、それは何よりも従業員のためです。ずっと給料を上げ続けていきたいのですが、現状のままではどこかで限界があると感じております。どんな挑戦も経営には信念がないと出来ません。そして何よりも大切なのは従業員を信じること。利益が出ていないことを理由にボーナスを支給しない、スタッフに還元しないということは、私の信念に反します。いつも頑張ってくれているスタッフのために、少しでも経営者として借入なども含め、できることをし続けていきます。信念があればこれからもっと楽しくなっていくと思います。

  • 若者へのメッセージ

    若ければ若いほど可能性を持っています。創造に溢れています。希望を持っています。そのため、固定観念を捨てていただきたいです。それを見極める力を付けてほしい。そのためには経験も必要であり、出逢う人も大事だと思っております。学生時代に勉強し、社会人になっても勉強をし続ける。成長しようという気持ちがあれば、やりたい事の選択肢がすごく増えます。可能性が増えます。だからこそ勉強するんです。努力するんです。思いやり、感謝の気持ちがあれば、悪いことばかりでなく、良いことも沢山ある。その先に、自分の居場所を見つけられたら最高です。そんな「自分の居場所」は必ずあると思うので、探し続けていただきたいですね。

COMPANY

会社概要

企業名 株式会社一休
所在地 東京都東村山市栄町2-29-6
業種 飲食店 - 一般飲食店
設立 1975年
資本金 1,000万円
従業員 約650名
事業内容 飲食業
URL https://193.co.jp/
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