PROFILE
賢者プロフィール
| 氏名 | 中村 勝重 |
|---|---|
| 会社名 | 三鷹光器株式会社 |
| 出身地 | 東京都 |
| 出生年 | 1944年 |
| こだわり | 自然の中 |
|---|---|
| 趣味 | 絵を描く、ヘラブナ釣り、動物の飼育、将棋、合気道 |
| 特技 | 考えを絵に描くこと |
| 休日の過ごし方 | 合気道の練習 |
| 座右の銘 | 光が当たるところはすべて市場 |
| 好きな食べ物 | スイカ、いなり |
| 尊敬できる人 | 本田宗一郎氏 |
HISTORY
賢者ヒストリー
私の原点は、三鷹の天文台に広がる大自然です。孤独な遊びの中で、私はゴミ捨て場の焦げた紙と半焼けの小枝を握りしめ、泥だらけになりながら夢中で命ある虫や鳥を描いていました。ある日、白衣の博士が「これをお前が?」と驚き、裏が真っ白な大きな紙をくれたのです。初めて手にした汚れなき白紙への胸の震えは、今も鮮明に覚えています。しかし小学4年の時、私の絵を誰より愛してくれた恩師・野村先生が急逝しました。深い絶望の中、道端で拾った一本の黒いクレヨンで描いた絵が賞を受け、私は「前を向いて描き続ける」希望の光をもらったのです。周囲からは芸術大学を勧められましたが、兄の会社設立を機に工業高校へ進み、18歳で望遠鏡づくりへ飛び込みました。真っ白なキャンバスに未知の絵を描き出す興奮は、新しい特許を生み出す喜びと全く同じです。ゼロから価値を創る私のモノづくりの魂は、あの自然の中で熱く育まれました。
私は16歳のとき、芸術大学への進学を辞め、兄と仕事をする決断をしました。幼い頃に見た天文台の巨大望遠鏡が、まるで戦闘獣や恐竜のような迫力で私を魅了したからです。18歳で兄と望遠鏡づくりに飛び込みましたが、株主の多角経営により会社は4年ほどで倒産。それでも私たちは「工機」を「光器」へ改め再起しました。モットーは「便利なものではなく、本当に必要なものをつくる」「特許要素のないものはやらない」の2つです。南極のオーロラ観測やスペースシャトル搭載の特殊カメラなど、大手を抑え宇宙分野で培った技術を「人の命に役立てたい」と、脳外科手術用の顕微鏡装置へ進出しました。自由自在な動きが求められる分野で、当社の発想はドイツの大企業を上回る特許と認められ、2度の訴訟にも勝訴したのです。ゼロから発想を生み出す私と、技術で具体的な形にする兄。私たちは当時から互いを「世界最強のコンビ」だと感じていました。
1994年6月2日、私は兄から「お前が社長になれ」と告げられトップに就任しました。当時、10トン超の超精密な大型天体望遠鏡は兄が担い、私は人工衛星や手術顕微鏡の特許出願等でグローバル展開を推進していました。世界へ打って出る中、机上の理論は通用しないと痛感した私は「設計図は現場にある」「なるほどと何回言わせるか」「創意工夫がないものはつくらない」「便利なものより必要なもの」「売りっぱなしはだめ」の5理念を掲げました。売って終わりとは決して考えず、納品後のクレームを次のヒントとし、改善点をすぐ世界共通の言語である「絵」で表現します。新分野進出時も、何億年もかけて築かれた神様のストーリーである大自然を常に参考にしてきました。現在はSDGsの観点で空気中から水を得る技術やそよ風の蓄電も模索し、技術で社会課題を解決して最終的に争いのない世界の実現に貢献する経営者でありたいと考えています。
当社は天体望遠鏡の技術を軸に発展してきましたが、現在は映像化やロボット医療へと時代が進化しています。60年以上培った技術を基盤に、今私たちは3つの分野に注力しています。1つ目は天体望遠鏡。高度なクーデ式望遠鏡の技術をエネルギー伝送に応用し、将来は宇宙ゴミに照射して大気圏で燃焼させる構想です。2つ目は測定器。当社の原理は国際規格ISO25178-605として認知され、現場で「つくりながら測る」歩留まりゼロロスを目指します。3つ目は医療。脳外科用手術顕微鏡のメーカーとして、0.2mm以下の微細な血管を扱う技術を持っています。「あの星はなに物、そしてお前の姿を見せよ」と宇宙で培った技術を応用し、認知症やパーキンソン病等の難治性疾患の治療に貢献したいと考えています。世界中の医師と連携し、この技術を実際の命の現場で役立てることがトップランナーたる私どもの使命です。
今後の展望として、宇宙全体を市場と捉える望遠鏡から、非接触ナノ精度の三次元測定器、そして単なる延命ではなく計り知れない価値を持つ「患者を元の状態に戻す」医療まで、3分野全てで世界展開を進めます。新分野へ進出する際、私は何億年もかけて築かれた神様のストーリーである「大自然」を常に参考にしてきました。現在、SDGsの観点からエネルギー分野へも関心を広げ、空気中から水を得る技術やそよ風を活用したもみ殻蓄電など新たな可能性を模索しています。地方に残る未活用の田畑もこの追い風です。効率やコスト優先の現代の価値観を変え、世界の砂漠が緑に変わり、水やエネルギー、食料が安定して得られるようになれば、人々の争いも必ず減っていくはずです。一流企業からの依頼や医師との連携といった強みと、若き才能のひらめきで社会課題を解決し、最終的には争いのない平和な世界の実現に貢献する経営者でありたいと強く願っています。
大学で学びベンチャーを立ち上げるチームは増えていますが、10チームあっても生き残るのは1つあるかないかという現実があります。優れた特許でも「便利で大量に売れる製品」なら、多くの人材や強力な販売網を持つ大企業が必ず参入し競争を仕掛けてきます。だからこそ目指すべきは「便利なもの」ではなく、高価であっても「これがないと困る」と思われる「なくてはならないもの」をつくることです。大企業のように作業を細かく分業化し、効率と安定した労働時間を求めるのも一つの価値観でしょう。しかし私は、少数でも高い価値を持つ製品を生み出し、その分野の一歩先を行く「価値ある仕事」を重視してきました。大学での学びは大きな強みですが、それにとどまらず常に時代に合った新しい発想を取り入れ続けることが重要です。これからの日本を背負う若き皆さん、ぜひ自分自身の価値観を持ち、新しい考えで未来を切り拓いてください。
COMPANY
会社概要
| 企業名 | 三鷹光器株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都三鷹市野崎1-18-8 |
| 業種 | 製造 |
| 設立 | 1966年 |
| 資本金 | 1,000万円(2026年4月 現在) |
|---|---|
| 従業員 | 115名(2026年4月 現在) |
| 事業内容 | 高精度望遠鏡、非接触三次元測定装置、脳神経外科手術顕微鏡装置、および医療分野のアイディア(知見)から設計・製造・販売 |
| URL | https://www.mitakakohki.co.jp |