KENJA GLOBAL(賢者グローバル)

株式会社大同工業所
大桐 伸介

信頼は当たり前の
積み重ね

冷温技術を基盤に、医療・産業・防爆機器の製造を手がける大同工業所。2010年からアジアの新興国へ進出し現地の医療機関に冷温機器を供給。途上国の血液保管体制の向上に貢献する。その土台にあるのは社員教育などによる自社と生み出す製品への誇り。賢者の胸に残るのは、創業者である祖父の教えと社会人時代の先輩の言葉だ。

SHARE

PROFILE

賢者プロフィール

氏名 大桐 伸介
会社名 株式会社大同工業所
出身地 大阪府
出生年 1980年
こだわり 人生は日々成長
趣味 ドライブ、観葉植物
特技 忍耐力、行動力
休日の過ごし方 家族と過ごす
座右の銘 至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり
好きな食べ物 ハンバーグ
尊敬できる人 吉田松陰

HISTORY

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    私が生まれる際に父と母の(ABO型の単純なものではなく)血液型不適合のために交換輸血の準備が血液センターにより行われていました。当時の交換輸血を行う指標(拒絶反応を示す抗体値)が高く、生まれた後すぐにNICUに入りました。幸い、交換輸血をする必要はなく、現在に至ります。父は、血液製剤の大切さを痛感し、血液保管機器のメーカーになりました。父は、「大阪で売れたら、東京へ。東京で売れたら全国へ、日本で売れたら世界へ」と日本中に出かけていました。そんな父を見て、世界へ羽ばたくエンジニアを目指しました。

  • 社会人時代

    前職、三菱化学の新人時代に指導員であった先輩からの「仕事は信頼の積み重ね」という言葉を大切にしています。理系大学院を卒業し、プラントエンジニアとして、「世界にはばたく大きな仕事をしたい」という夢を胸に三菱化学に入社しました。しかし、自分自身が思い描く仕事の出来と実際のアウトプット、「かっこいい仕事」ばかりではなく、泥臭い仕事もある現実に悩んでいたところ、先輩が相談にのっていただいた時の言葉です。厳しくも聞こえましたが、その一方で、「一緒に仕事をする人から信頼される仕事をすることで、より大きな仕事をするチャンスが生まれる。小さな仕事もきっちりとこなせば将来につながる」という励ましの言葉でした。この言葉を胸に、現在ではウズベキスタン保健省から厚い信頼が得られ、官民連携事業を行っています。

  • 社長就任のきっかけとその当時

    きっかけは、父の体調があまり良くなくて、そろそろ戻らなければいけないのかな、という選択に迫られたことです。戻った時の従業員数はだいたい20名ほどで、町工場に毛が生えたくらいの規模でした。組織自体は完全にトップダウンで、社長である父がほぼすべての指示を出していた状態でした。仕事がうまくいっても、社長の言う通り、失敗しても社長の言う通りやっただけとどこか他責な雰囲気を感じました。一方、私の前職は組織的な教育体制、管理体制が整っていましたので、大きなギャップを感じました。従業員もまた、大企業から戻ってきた社長の息子として、一線を引いていたと思います。従業員の教育として、中小企業の定額制集合研修を契約し、新人から管理職まで研修を受けました。管理職研修には私も同じ研修に参加し、考え方を聞く機会を持ちました。また、会社を好きになってほしい、仕事にやりがいと持ってほしいと、大阪府優良企業賞に応募しました。

  • 現在の事業

    私が入社後に開始をした海外戦略も芽が出始め、2018年に、はばたく中小企業として、経済産業大臣表彰を受け、さらに令和元年(2019年)に父が技術的優位性保有企業叙勲として、旭日双光章を受章しました。父が血小板振とう恒温槽や防爆冷蔵庫、恒温槽などニッチな製品を生み出した製品を世界に広めたことを評価頂いたと考えています。叙勲を受けたあと、父は「もうこれで十分満足だ」と、代替わりになりました。個人的には、私が学生時代からの思いである「世界にはばたく大きな仕事をしたい」を実現するために、JICA官民連携事業や厚生労働省予算の国際展開推進事業を活用して、途上国の血液保管輸送体制強化に取り組んでいました。40名弱の小さな会社ですが、ミャンマー、ラオス、そして、現在はウズベキスタン政府のパートナーとなり、現地血液コールドチェーンの改善に取り組んでいます。

  • 今後の展望

    血液保管事業に関しては、日本の人口減少に伴い、国内市場は縮小していくと考えています。そのため、人口が増加し経済発展が期待できる東南アジアや中央アジアへ、市場を広げていくことを進めていきたいです。また、2016年に水処理試験器の事業を引き継いだこともあり、現在は血液保管機器、防爆機器、水処理試験器の3本柱で事業を展開しています。防爆機器事業では、父の代の防爆冷温機器に加え、水素社会に対応する本質安全防爆機器の開発と、これまでの製造業から派生させた防爆試験サービスの提供を始めました。既存製品の海外市場と新規事業により、販路を拡大したいと考えています。

  • 若者へのメッセージ

    私自身への戒めでもありますが、色々な人と会話することを心がけてください。会話では聞くと話すの双方向のコミュニケーションが大切です。SNSやインターネットでの検索では、情報の偏りが指摘されていますが、知らぬ間に狭い世界に入り込んでしまいがちです。その一方で、世の中ではダイバーシティや多様化などの言葉が広く使われ、様々な背景をもった人がいます。先行き不透明な時代と言われることもありますが、私は、いつの時代も先行きが分かっていたことはないと思います。双方向のコミュニケーションで、この時代を乗り切りましょう。

COMPANY

会社概要

企業名 株式会社大同工業所
所在地 大阪府東大阪市楠根1-6-45
業種 建設
製造
サービス - 専門サービス
設立 1981年
資本金 2,000万円(2025年1月 現在)
従業員 37名(2025年1月 現在)
事業内容 血液保管機器、防爆機器、水処理試験器の製造及び防爆試験サービスの提供
URL https://www.daido-ind.co.jp
{

RELATED MOVIES

関連動画