丸正製粉株式会社

柾本健太郎

この映像・情報は 2022年12月当時のものです

全ては社員のために
小麦が作る地域の未来

業務用小麦や乾麺などの製造販売からゴルフ場の運営までを手掛ける丸正製粉。娘婿として会社に入り、代表となった賢者。社員が働きやすく地域に貢献できる会社を目指す、その軌跡と未来に迫る。

氏名	柾本健太郎
会社名	丸正製粉株式会社
出身地	岡山県
出生年	1971年

こだわり	やると決めたら、とことんやりぬく
趣味	ゴルフ、ウォーキング
特技	将棋、ナンプレ
休日の過ごし方	ゴルフ、ジム（トレーニング）
座右の銘	熱き心と冷めた眼を
好きな食べ物	お子様料理全般
尊敬できる人	銀行時代の諸先輩方

HISTORY
賢者ヒストリー

幼少期～学生時代

8歳の時父親が急性心不全で突然他界したことです。当時の事は今でも鮮明に憶えています。証券会社で多忙を極めていた父親は、普段、私が起きる前には仕事に出ていたのですが、その日だけは目覚めた頃に隣で寝ていたので、本当に驚きと同時に訳が分からない状況が目の前に広がっていました。専業主婦だった母はしばらくショック状態でしたが、3人の子供を養うために、実家に引っ越して英語塾を始めました。3人とも経済的に不自由なく大学まで行かせてもらえました。特に私が大学4年の時は、弟が同2年、妹が同1年だったので大変だったと思います。母親とは色々喧嘩もしましたが、今では感謝の言葉しかないですね。
社会人時代

銀行2店目で本店営業部へ異動となり、地場大手企業を多く担当する部署へ配属となりました。当時は時短とは無縁で、深夜勤務や休日出勤は当たり前、時間をかけて仕事をする風潮がありました。そんな中、私より後に仕事の出来る人1年上の先輩が異動してきました。その先輩は、たとえ部署内が残業で遅くなる雰囲気でも、仕事が片付けば定時に帰る人でした。そんな先輩に、「部署全体の仕事が遅くなる原因を作っている人がいる」と名指しで批判されたんですね。悔しいと同時に、自分の至らなさを痛感させられ、「見返してやる」と強く思った瞬間でした。どうしたら仕事を効率的に回していけるかを徹底していき、意識や仕事への取組み方が劇的に変わる大きなきっかけとなりました。早く仕事が終われば、自分のために使う事ができ、精神的にも余裕が出来ます。あの時の先輩の厳しい言葉が、時間・スケジュール管理を徹底する今の自分の仕事の礎となりました。
社長就任のきっかけとその当時

創業者の孫娘と前職の銀行で出会い、結婚をすることとなりました。それは銀行を退職し丸正製粉の経営を引継ぐ事を意味していました。前職銀行は弊社の長年に亘るメインバンクで、私の部署が直接取引先だったこともあり、退職前から非常勤監査役に就かせてもらい、時々直接会社へ行く機会もあったことから、会社の情報は把握出来ていて、財務面で分からないという心配はありませんでした。しかし製粉業界に関しては全くの素人でしたので、自分が出来ることを全うしようと覚悟を決めました。お客様との間には長いお取引の中で培われた歴史があり、その歴史を知っておくことは大切だと思っていたので、その把握に努めました。また、生前の創業者を知る多くの人から、様々なエピソードや会社の歴史等を聞かせて頂きました。カリスマ的な人だったので、話を聞く度に重圧感を感じていましたね。社員とのコミュニケーションのために、毎週飲みに行ったり、ゴルフに行ったり、毎年バス旅行に行ったりと、社員が働きやすい環境作りを模索していました。
現在の事業

就任以来、「会社が今後30年、50年、100年と続いていく事」を第一に取り組んできました。製粉会社として、安全安心でお客様の多様なニーズに対応できる技術力と安定供給が事業存続の根幹であると思っており、従業員全員が家族のような大切な存在であり、かけがえのない財産だと思っています。毎年の社員採用と教育は、技術力継承のために必要不可欠であり、OJT中心に継続的に行っています。最近は新卒採用を開始し、毎年新しい気持ちで社員が入社してくれることに喜びを感じますし、今後も続けていきたいです。70年以上の歴史ある会社を引き継いだからには、このバトンを良い形で繋いでいくことが私の使命だと思っていますので、社員には仕事をする上で楽しさを見出してもらえるようにしていきたいですね。銀行時代の経験からヒト・モノ・カネの三要素の中で、「ヒト」が圧倒的に大切であることを学びました。株式会社は株主なしでは存在しえないものですが、会社はまず従業員のためにあるべきというのが私の考えです。
今後の展望

今後も永続的に安全安心で良質な製品を安定供給できるよう、教育を通じた技術伝承と設備投資をよどみなく行っていきます。国内産小麦は、消費者にとってはイメージが良いが、私達メーカー側からすれば毎年の品質のブレが大きくて扱いにくく、近年改善されてきているとはいえ、まだまだ外国産小麦の方に優位性があるのが現状です。展望というよりも、将来目標になりますが、外国産小麦に負けない良質な岡山県産小麦が生産され、それを製粉し地元のお客様に提供したいです。
若者へのメッセージ

「目標を立てる、達成の為の計画を立てる、達成のために頑張ること。努力すること。」日常生活の些細な事から勉強、仕事等全ての場面まで、人生はこのステップの繰り返しだと思います。常に頑張る、努力し続ける人であって欲しいです。ハラスメントが社会的に認識され、体罰等は昔と比べかなり減った一方で、怒られることが減ったせいなのか、精神的に「打たれ弱い」人が増えたように感じます。頑張るサイクルを繰り返して、自分に自信をつけて自我を強く持って欲しいです。

COMPANY
会社概要

企業名	丸正製粉株式会社
所在地	岡山県岡山市南区築港元町7-30
業種	製造
設立	1948年

資本金	20百万円
従業員	53名
事業内容	小麦粉の製造・販売、乾麺（うどん・そうめん）の製造、ゴルフ場運営（吉備カントリークラブ、1975年オープン）、関連会社：寿倉庫㈱（倉庫業）、丸大運輸㈱（運送業）
URL	http://www.marushof.co.jp/