株式会社クボタ
木股 昌俊

グローバルメジャー
への挑戦

SDGsが叫ばれるから社会を意識したのではなく、130年前からしっかりとSDGs的な事業を行ってきたクボタ。苦境や逆境に立たされた時になってはじめて、賢者の慧眼を思い知る。そのあまりにも自然なカタチに勝者の底しれない力を感じた。

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賢者プロフィール

氏名 木股 昌俊
会社名 株式会社クボタ
出身地 岐阜県
出生年 1951年
趣味 読書、旅行
特技 パッティング(パター)
休日の過ごし方 読書、ゴルフ、ジョギング、ウォーキング
座右の銘 壁がある、だから行く
好きな食べ物 ホタテ
尊敬できる人 孔子、吉田松陰、土光敏夫

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    岐阜県の瑞浪市に生まれ育ちましたが、父の転勤の兼ね合いで中学からは名古屋にある私立の中高一貫校に通いました。大きな理想を持てず、将来はどういったことで活躍できるのか悶々としていた少年時代でした。父が国鉄職員だったこともあって、中学生の頃、開通前に新幹線の試運転に乗車することができたんです。それもあって高校生になる頃には工学に関心が湧いてきました。その当時の映画で、加山雄三さんが造船技師を演じていたのに憧れたのもあったのでしょうが。結局のところ北海道大学へ進学し、機械工学を学びました。卒業する頃は造船業の求人が少なく、現在のクボタに就職することになりました。

  • 社会人時代

    入社してすぐに4ヶ月くらいかけて工場実習を受けました。その間に英語などの研修も受けました。詰め込むだけではなく、成人教育、人間としてどうあるべきかも研修で行われて、人材の育成に手厚かったと思います。8月からの本格的な配属で、工場勤務になりました。研究熱心で、どんなこともやりきる人が多くいました。今ではダメなんですが、朝まで没頭することもよくありましたね。入社した1977年は会社の転換期でした。円高の影響で輸出が多くなっていったのです。配属された筑波工場の使命は「世界に羽ばたけクボタのトラクター、クボタのエンジン」。国際的な基幹工場として設立された直後でしたから、海外マインドを植え付けられたのは幸いでしたね。

  • 社長就任のきっかけと、その当時

    社長就任は、前社長の急逝という非常事態での就任でしたので、先ずはお客様と従業員に対して、創業以来引き継いできた精神は変わらないと説明することが先決でした。社長就任後、国内外の拠点を飛び回る中で、営業や製造の「現場の士気の高さ」を再確認することができ、これが当社の強さなのだと再認識することができました。一方で、「食料・水・環境」という分野でグローバルに事業展開しているものの、「従業員のベクトルは必ずしも一つの方向に向いていないな」とか、全世界を見渡した時に「まだまだその実現には程遠いな」と感じたのも事実です。そこには、そこそこの規模の会社になったことで、社員たちの中にチャレンジしなくても大丈夫だという意識が広がってきているのではないかという危機感がありました。そのような時に、土光さんのエピソードを思い出したわけです。当時も今も、私の役目はもう一度、創業者の精神を思い出し、果敢にチャレンジする気持ちを全員で持ち続けてもらうことであり、そのためにはより高い目標が必要だと考え、「グローバル・メジャー・ブランド」を掲げ、全員でそこに向かって突っ走ろうと宣言したわけです。

  • 現在の事業において

    現在、最も注力している事は「グローバル・メジャー・ブランド」の確立に向けた活動の加速・拡充です。2019年目標としている売上高2兆円の達成は、当社の中長期目標である「グローバル・メジャー・ブランド」、すなわち「最も多くのお客様から信頼されることによって、最も多くの社会貢献をなしうるブランド」の実現への通過点に過ぎません。2020年の創業130周年をより意義あるものとするため、この中長期目標の実現に向けて注力しています。また、2018年からSDGsを「グローバル・メジャー・ブランド」に向けた諸活動の軸に据えた取り組みを開始しました。当社は、世界的な食料不足、水・環境汚染、快適な都市生活環境造りなどの課題解決にソリューションの提供を通じて貢献することが、社会やお客様からの信頼を得て評価される「グローバル・メジャー・ブランド」となるために極めて重要であり、事業の持続的発展にとっても不可欠であると考えています。事業をする上で最も大切にしている事は、「現場主義」と「お客様第一主義」です。「現場主義」とは、研究・開発・生産・販売などすべての局面で現場を見て、現場の声に徹底的に耳を傾け、現場の真のニーズを形にすることです。「お客様第一主義」とは、お客様の“のぞみ”を超える製品・サービスを、お客様の“予測”を超えるスピードで提供することです。これがお客様の“感動”を呼び、お客様に最大限喜んで頂くことにつながると考えています。また、「現場は自分を映す鏡である」という考えのもと、国内外の生産拠点や販売拠点に自ら出向いて、現場の最前線にいる社員との双方向のコミュニケーションを心がけています。

  • 今後の目標

    2019年の重点施策は三つあります。一つめは、「グローバル・メジャー・ブランドに相応しい経営基盤の確立」です。長期目標の達成に向けた経営基盤の確立は急務であり、特に研究開発体制、生産調達体制等、早期拡充に取り組みます。研究開発体制については、国内では堺市に約33万平米の土地を取得し、グローバル研究開発体制の中核となる新研究開発拠点の設立に着手しました。海外では、日欧共同開発による畑作用トラクター開発の加速を目的とした欧州新開発拠点の運営を本格化するほか、各グローバル研究開発拠点の整備・拡充も継続推進し、地域密着型の研究開発体制を構築します。生産調達体制については、事業毎に最も効率的な生産体制の確立に向けた取り組みを推進します。特に、中長期的な事業拡大が見込まれる海外では、生産拡大と物流改革を中心とする再構築を進めます。二つめは、「機械事業における成長事業の確実な展開と体質強化」です。海外農機事業では、畑作用大型トラクターの新製品開発と現行機種の競争力・収益力強化による基盤強化を図ります。また、成長原資を創出するため、高い収益力を有する中小型トラクターの拡販と収益極大化、成長製品である芝関連機器やユーティリティ・ビークルシリーズ拡大にも注力します。さらに、インドのトラクターメーカーであるEscorts社との合弁による現地生産を決定したインド事業の本格化や、新興国向けトラクターシリーズの拡大にも取り組みます。国内農機事業では、農業分野における人手不足が進むなかで、自動運転農機の開発をはじめ、周辺機器、整備・サービス、ソリューションまでカバーし、日本の農業を支える総合的価値を提供する事業への進化を加速します。建機事業は、2018年世界中の主要市場で躍進しましたが、今後も大きな成長が期待される分野として積極的な資源投入を継続します。エンジン事業は、2018年新研究棟を建設し、高度化が進む電子制御システムや排ガス後処理装置の開発力を強化していきます。三つめは、「水・環境事業における組織体制見直しと体質強化」です。パイプインフラ事業は、(DB方式による)設計・施工の一括受注や管路更新工事など、予算や人手が限られるなかで老朽化した社会インフラを更新するというニーズに応えていきます。環境事業は、当社の強みを活かして水ソリューション、環境保全、創エネルギー分野で貢献していきます。

  • 日本を背負う若者へのメッセージ

    高校時代に司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」を読んで以来、「世に生を得るは事を成すにあり」を道しるべにしています。「できない理由よりやる方法を考えること」をモットーとしています。若者の皆さんには、チャレンジ精神、諦めずに挑戦していくという強い意志を持ってもらいたいと思います。思い切ったことは若者の皆さんでないとできないので、是非、失敗を恐れずチャレンジしてください。

会社概要

企業名 株式会社クボタ
所在地 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
業種 製造
資本金 841億円(2018年12月31日現在)
従業員 40,202名(2018年12月31日現在・連結) 11,226名(2018年12月31日現在・単独)
事業内容 農業機械及び農業関連製品、エンジン、建設機械、パイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、バルブ、素形材、鋼管等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)の製造及び販売
URL https://www.kubota.co.jp/index.html

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