キユーピー株式会社
長南 収

良い商品は良い原料からしか生まれない

100年の歴史を持つキユーピー の経営を受け継いだ賢者は創始者から受け継がれる徹底した材料へのこだわりや人まねをせず新しい価値を市場に生み出していくという理念を守り続けている。その一方で、新型コロナで世の中の仕組みが変化する中打ち出す新たな戦略とは?

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賢者プロフィール

氏名 長南 収
会社名 キユーピー株式会社
出身地 山形県
出生年 1956年
こだわり 稲盛和夫氏の「考え方×熱意×能力」の言葉
趣味 ゴルフ、映画鑑賞、犬の散歩、妻との買い物
特技 サッカー(中学、高校)、カッター(大学)
休日の過ごし方 ゴルフ、映画鑑賞、犬の散歩、妻との買い物
座右の銘 良樹細根
好きな食べ物 鱈汁、イモ煮、魚全般
尊敬できる人 稲盛和夫 氏

賢者ヒストリー

  • 幼少期〜学生時代

    中学、高校ではサッカー部、大学では水産学部であったことからカッター部に所属。カッター部には自分の意志ではなく入部させられ、先輩が怖くて辞めるとも言えず、最後はキャプテンとなり後輩を指導する立場になりました。漕ぎ方を知らない新入生時代は尻も手も傷だらけになりながら鹿児島の錦江湾をひたすら漕ぎ続けました。全国大会に向け年間 100 日合宿もあり、朝2時間、夕方から3時間の練習に取り組みました。こんな苦しいことが世の中にあるのかと感じながらも、同期が退部していく中、最後までやり抜きました。逃げない先に見える世界があることを知り、それが今のベースになっています。

  • 社会人時代

    生産を希望し工場に入社。入社 8 年目で初めての大阪で知識も経験もない営業セールスとして大阪支店に異動。大手量販店の担当となったが商談しても何一つ決まらず、支店経営に大きな影響を与え、眠れない日が続き、本当に苦しく、大きな壁にぶつかりました。本部との商談では企画が通らず、仕方なく店舗を朝開店前から巡回し、品出しや閉店後の陳列を毎日していました。すると数カ月後、私の行動をずっと見ていた販売力No1の店舗(一番店)責任者の方から催事場を1週間自由に使って良いと言われ、社内の同僚からアドバイスや受けながら取り組むと、店舗責任者の期待以上の売上の結果を出すことが出来ました。その後定期的に催事場を任せて頂けると共に、一番店の責任者が他店に声をかけてくれた事で他店の催事場も担当させて貰い、これをきっかけに商談や人間関係が良くなり、売上をカバーできるようになりました。大きな自信となったと共に、救って下さったその責任者の方には感謝を忘れたことがなく、大阪を離れた後も連絡を取らせて頂いています。不器用でも逃げずに進んでいけば、時間がかかっても誰かが見てくれていると信じ、行動できるようになりました。

  • 就任のきっかけとその当時

    社長という大役をお受けする自信はとても無かったので、正直に前社長にその旨をお伝えしました。1週間考える時間を頂いたが、いくら考えてもお受けする自信は持てず、断りたい回答しかありませんでした。しかし、(社長職へのオファーを)断る明確な理由もなく、皆がフォローすると何度も背中を押され、お受けすることにしました。就任当時に注力した事は、「人生はマラソン」「経営は駅伝」と言われるように、経営はゴールのない駅伝という考えです。人生はマラソンだから、途中で止めようが自分が決めれば良いが、経営は誰かがタスキに汗を染み込ませないで渡したら、次のランナーが倍の汗をかかなければ取り戻せません。場合によってはタスキが繋がらないかも知れない。ゴールがあるわけでもなく、次へのタスキをしっかり汗して渡す繰り返しが 100 年、200 年と続く企業になり、どの様な汗をかくかで成長・発展が違います。脈々と諸先輩達がしっかり汗して我々に渡してくれたタスキには創始者の精神の理念である「楽業偕悦」の想いがあります。これからも「変わらぬ理念、変わる経営」を全員参加で進め、未来責任を果たせるようにタスキに汗して渡していきます。従業員とお客様、そしてブランドと商品を大切にすることは言うまでもないが、創始者の精神である「楽業偕悦」をぶれることなく、これからも大切にしていきたい。

  • 現在の事業

    マヨネーズやドレッシング、サラダなど、市販用や業務用の調味料や調理食品などの食品、海外、フルーツソリューション、ファインケミカルなどを展開しています。海外展開も中国、東南アジアを中心に欧米でも展開しています。「楽業偕悦」の想いや、「変わらぬ理念、変わる経営」という価値観をグループ従業員と共有し、グループのめざす姿である『私たちは「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって世界の食と健康に貢献するグループをめざします』を実践します。この考えを前提に、次の3つの軸でグループ経営を進めています。1.理念を大切にした経営をあらためて実践する。2.食の「名脇役から主役へ」を社内外との協働で実現する。3.次の 100 年に向けて、より良い姿を追求し続ける。いつの時代もブランドや商品を大切に磨いてきたが、キユーピーが 100 年成長、発展できた原動力は「楽業偕悦」の実践です。何か問題があれば、理念と照らし合わせ、何が本当か、何が正しいかを判断してきたからこそ今があります。

  • 今後の展望

    今後の展望については2つあります。1つ目は「世界の食と健康に貢献する」キユーピーグループ。「世界」「お客様」「社会」の3つの視点から “食で多くの方々に笑顔をお届けできる存在でありたい”という想いをこめ、「2030 ビジョン」を策定しました。「2030 ビジョン」の先には、従来からグループの経営理念に掲げる「めざす姿」を置き、ビジョンの実現を通して「めざす姿」に近づいていくという想いを表しています。「2030 ビジョン」を掲げることでグループの想いを1つにし、世界に貢献できる事業分野の伸長と共に、社会課題の解決に取り組み、広く共感されるグループを目指します。また、マヨネーズやドレッシングを中心に、サラダやタマゴの領域を広げていくことで、伸び行く中食市場での拡大と共に、健康寿命の延伸にも取り組み、【サラダとタマゴのリーディングカンパニー】を目指します。2つ目は、新規市場「フレッシュストック」事業です。お客様の多様な変化と共に、with コロナにおける新たな食ニーズに対応するため「フレッシュストック」 事業を始動、2024 年までに売上高 を 150 億円規模 を目指します。「フレッシュストック」事業は、青果・精肉・鮮魚、惣菜、日配などの低温売場専用商品の製造・販売を担っています。近年の共働き世帯の増加、新型コロナウイルス感染症の影響で、買物行動や家庭内での調理行動は大きく変化しました。「フレッシュストック」事業は、食ニーズの変化や、withコロナ のニューノーマルに対し、キユーピーグループの強みを生かした商品展開で市場を創造していきます。具体的には、調味料、パッケージ惣菜、たまご商品の3つの柱を「青果売場」「精肉・鮮魚売場」「惣菜売場」の3つの売場で展開します。

  • 若者へのメッセージ

    「人生はマラソン」で「経営は駅伝」と言われる。人生はマラソンですから、自分のペースで歩こうが、走ろうが、途中で止めても構いません。しかし、社会に出て個人経営でない限り会社や組織に属するはずです。組織の中で果たせる個人の役割は小さいかも知れませんが、理念に沿って今できることに真剣に取り組み、何が本当か、何が正しいかを判断し、厳しい茨の道であっても逃げ出さず正々堂々と進んでいけば道は開けていくと信じることが大切です。人に大切なものは、知識や才能よりも真剣味であり、情熱です。情熱のなきところにいかなる能力も開花せず、情熱があらゆる創造の源泉であると思って欲しいです。仕事は勿論生活をする上での基盤ではありますが、仕事を通して誰かを幸せにしたり、笑顔にしたりしていることが大切であり、自分自身も、そのことが働くやりがいや喜びに繋がる最も重要なことだと感じています。「誰かの役に立てる、誰かが喜んでくださる」という気持ちを抱いた時、自分の持っている力以上のものを発揮できると思います。

会社概要

企業名 キユーピー株式会社
所在地 東京都渋谷区渋谷 1-4-13
業種 製造
設立 1919年
資本金 241億400万円
従業員 16,003人(連結、2020 年 11 月末日現在)
事業内容 キユーピー株式会社は 2020 年度売上 5,311億300万円(連結)。
マヨネーズやドレッシング、サラダなど、市販用や業務用の調味料や調理食品などの食品、海外、
フルーツソリューション、ファインケミカルなどを展開。 海外では、中国、東南アジアを中心に
欧米でも展開。
URL https://www.kewpie.com

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