KENJA GLOBAL(賢者グローバル)

株式会社綱八
志村 久弥

天ぷらでつなぐ
日本食の未来

大正13年から続く伝統を守るとともに、新たな発想で革新を続ける老舗天ぷら店「綱八(つなはち)」。昔ながらの味にこだわりながらも、時代に受け入れられる商品開発や店舗作りを行っている。日本の和食文化の発展を目指す賢者の描く活路とは。

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賢者プロフィール

氏名 志村 久弥
会社名 株式会社綱八
出身地 東京都
出生年 1960年
こだわり
趣味 邦楽(小唄)、乗馬、映画鑑賞、読書
休日の過ごし方 話題の店の食べ歩き
座右の銘 伝統は革新の連続
好きな食べ物 天麩羅、寿司、うなぎ、焼肉
尊敬できる人 生き方に信念がありぶれない人

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    物心ついた頃より朝は魚河岸帰りで魚臭く、夜には店から戻り胡麻油の匂いがする父が家にいました。母も店を手伝い隣家には従業員寮があり私の周りは家業としての綱八が日常生活にありました。小さい頃から魚河岸に連れて行って貰い魚に触れたり、店に連れていかれ皿洗いの真似事や海老の皮むきをしたり綱八が身近の存在としてありました。高校時代から小遣い欲しさもありバイトをはじめ様とした時父は高額な時給を提示し、それに惹かれ綱八のバイトを始めました。以来綱八以外のバイト経験はありません。そのお陰て大学卒業時分には調理以外の皿洗いやご飯炊きといった裏方の仕事、そして接客は一人前以上に出来る様になっており、天ぷら屋とは何ぞや、そしてお客様と接する楽しさを学ぶことが出来ました。

  • 社会人時代

    大学卒業後の進路に迷いは無く綱八入社と決めていました。しかし入社半年後の秋、父が突然脳溢血で倒れ一時人事不省の状態になりました。まだまだ経営者としての実務経験は乏しく、これから父の薫陶を受け色々と学ぼうとしていた矢先でした。丁度2店舗の開店も控えており、その細かい指示や他にも部下から判断を仰ぐ事案が目白押し、無我夢中で事にあたりました。部下や魚河岸の仕入れ先の旦那衆がアドバイスをくれたり支えて下さりカリスマ社長の代役をどうにかこなし、経営者とは決断者であり部下や取引先との信頼関係の大切さ、そして会社運営・商売のビジョンを持たねばならない事を学び、この事はその後の経営者としての道のりの大きなエポックメーキングとなりました。

  • 就任のきっかけとその当時

    39歳で父に任じられ社長に就任しました。私自身父の様なカリスマ性が無い事は自分が一番分かっていましたので部下の力の最大化、長所を伸ばし活かす組織の仕組み創り=等級制度、給与体系の作成、ステップアップ制度を中心とした評価制度作りをおこないました。時は前後しますがその後リッカールトンホテルのクレド経営に出会い、理念の浸透こそが何より増して重要である事を学び半年かけて部下も巻き込み綱八番クレドの作成をおこないました。クレドは現在に至るまで綱八働く仲間の行動判断の礎になっています。

  • 現在の事業

    食べる事は生命維持の根幹であり人間は日に三度食事をします。近年コンビニ惣菜や弁当の質の向上に伴い中食の安定的地位の確立、ウーバーイーツ等デリバリーの普及もあり「食」に対し気軽、手軽、胃袋満足のコンビニエンス族が台頭しました。又2年間続いているコロナ禍の中外食がコロナの敵と評され外食機会が激減、自宅での食事が当たり前になってしまいました。WITHコロナを見据えた時外食店舗に訪れる動機は先鋭化され専門店の専門性の深耕が強く求められます。天麩羅屋であれば 仕入れにおける産地や旬の明確化、揚げる技術の高度化安定化、カウンター越しのお客様とのより深い関係性の構築、綱八でしか食べられない商品の開発など「付加価値経営」の深堀りは必須であり、上記の事々を現在徹底して現場でおこなって貰っています。せっかく来て頂いたお客様のご要望に極力お応えしていく姿勢が問われます。

  • 今後の展望

    外食産業は設備投資産業であり、特に和食天ぷら屋は防水や吸排気の設備それに内装費も他に比べ費用が掛かり投下資本自体が高額になり、その回収にも時間が掛かります。今後は居抜物件での出店や店舗面積のコンパクト化といった投資コストの低減と回収の速さが問われます。一方コロナ禍の中今まで積極的に出店していた繁華街ターミナル立地での商売に陰りがみえてきてしまいました。逆に都内であれば山手線外縁で後背に住宅街を有する郊外駅近くに旺盛な外食動機が見られはじめました。綱八では昨年9月に東横線自由が丘近くに居抜で20坪と従来店舗の2/3の規模の店舗を出店しました。今後は全て自前の投資でなくパートナーを求め店舗建築のハードの投資を委託し、綱八側は技術ノウハウを有する調理人を派遣するハードとソフトの分離を考えていきます。そうなりますと今後はより人にフォーカスした人財育成が重要なファクターとなり今後は人財の入り口から育成・教育そして人財排出の「人財一気通貫」構想を推進したいと考えています。その人財は「経営も出来る調理職人」を目指し、新規店舗の店長は元より自立暖簾分けも視野に入れます。一方上記の仕組みは人財を育成するにはある程度の時間を有しスピード感をもった店舗展開は難しくじっくりしっかりと取り組むビジネスモデルであります。逆に非職人・調理人型新ビジネスモデルとして綱八が蓄積してきた人財以外の仕入れや、油調合 揚げるメカニズム 店舗設計・運営ノウハウをマニュアルシステム化し将来はフランチャイズも視野に入れた「ちき天TOKYO」を昨年11月に中目黒に開店させました。今後は職人ビジネス・非職人ビジネスを2本の大きな柱とし投資形態、路面も含めた出店形態を模索し成長戦略を進行。コロナ後にはなりますが「日本食文化の代表である天ぷらの伝搬」を旗頭に 海外出店もおこなっていきたいと考えています。

  • 若者へのメッセージ

    失敗を恐れず、夢を大きく持って、チャレンジ精神を忘れないでください。失敗は必ず未来の自分の糧になりますし、それが自分の自信にも繋がります。また、周りとの信頼関係を築くには、「謙虚さ」「誠実さ」が必要です。感謝の気持ちを忘れないでください。

会社概要

企業名 株式会社綱八
所在地 東京都中野区本町3-30-4-7F
業種 飲食店・宿泊 - 一般飲食店
設立 1924年
資本金 1000万円
従業員 425名(2021年12月現在)
事業内容 天麩羅専門店として新宿を拠点に百貨店、駅ビルのレストラン街や食品売り場のデリカに店舗展開
URL http://www.tunahachi.co.jp/
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