氏名 | 柴 肇一 |
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会社名 | リジェンティス株式会社 |
出身地 | 長野県 |
出生年 | 1961年 |
こだわり | 楽しいことを仕事にできるように頑張ること |
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趣味 | 研究 |
特技 | 英語の歌 |
休日の過ごし方 | 仕事 |
座右の銘 | Forgotten polymer to be unforgettable. |
好きな食べ物 | 肉類 |
尊敬できる人 | Heinrich Schliemann |
幼い頃から知的好奇心が旺盛な少年でした。大学に進学後、衝動に突き動かされるがままに分子生物学の研究に没頭している中で、新しいことを発見して応用することが好きという気持ちが芽生え、大きくなっていきました。大学院を卒業し、民間の研究所に入りましたが大学に戻って研究したいという気持ちが強く、北海道大学理学部に助手として赴任しました。
国立大学の教官は安定していて給料は毎年自動的に上がって、たいへん居心地の良い身分でしたが、そこにずっといると新しい可能性を見出すのは難しいと考えるようになりました。シリコンバレーのような研究からビジネスを生み出す素地が日本には少ない気がします。スタンフォード大学での研究を通じて、自分の研究をさらに発展させる方向性が多々あることに気がつきました。
米スタンフォード大学に博士研究員として留学し、DNA複製の研究でノーベル賞を受賞していたアーサー・コーンバーグ氏に師事する中でポリリン酸との出会いを果たします。コーンバーグ氏はポリリン酸のことを忘れられた分子と表現し、だからこそ忘れてはいけない分子と日頃から言っていました。つまり、誰からも興味を持たれていないからこそ忘れてはいけない未知なる可能性がある。そして研究を続ける中で、体内にあるポリリン酸は一定の長さを持ち、その長さに応じて骨を含む人体の組織を再生したり、歯を形成するアパタイトに結合する機能を発揮することがわかりました。このことは、一定の長さのポリリン酸が再生医療をはじめとする医療分野のみならず、ヘルスケアの分野でも幅広く応用が期待される画期的な発見でした。そんなポリリン酸の可能性を世界に広めるために大学発のベンチャー企業を設立しました。これが現在のリジェンティス株式会社です。
ポリリン酸は体内にも存在する重要な物質なので、当然のことながら安全性も担保されています。また、一定の長さを持つ独自のポリリン酸(分割ポリリン酸やEXポリリン酸)の製造も独自技術でなんとか可能になり、医薬部外品や化粧品等のヘルスケア製品を商品化することができました。しかしながら、ビジネスは全く別世界でした。商品の売り方が全くわからない中で紆余曲折しているうちに、どんどん赤字が膨らんでいきました。そんな中、ラジオシショッピングで商品を販売する話が舞い込んできます。ラジオでは売れないだろうと思いつつも、サンプルを数本送ったところ、いきなり次の月から何千本もの発注が届き、今度はどうやって欠品を出さずに製造するかを考えなければならなくなりました。そこからポツポツと売上が上がるようになり、黒字化してから10倍以上の売上にまで成長することができました。
研究は実験を繰り返し、何度も失敗して、試行錯誤の中から新しい発見や発明が生み出されるものだと思います。ビジネスも同様にトライ&エラーを繰り返す中で道が開けていくという意味で、研究との共通点があると思います。今、ポリリン酸の研究は世界中の大学や研究機関にひろがりつつあり、体内のポリリン酸の重要性がますます注目されつつあります。そのポリリン酸の研究に使われているのも弊社のEXポリリン酸です。海外でもEXポリリン酸を使って新製品を開発しているベンチャー企業も設立されています。これからも世界中にポリリン酸を使った新技術がひろがっていくのが楽しみです。
私は研究者からビジネスに挑み、その後紆余曲折しながら経営者にもなりましたが、いつも失敗の繰り返しでした。失敗しても明るい気持ちを忘れないで、前向きに進むことで必ずよい方向性が見えてくると思います。どんどん積極的に新しいことに挑戦してください。応援しています。
企業名 | リジェンティス株式会社 |
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所在地 | 東京都国立市東1-7-20 |
業種 | 製造 |
設立 | 2004年 |
資本金 | 4,650万円 |
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従業員 | 22名 |
事業内容 | 生体内で種々の機能を持つEXポリリン酸のヘルスケア分野での応用 |
URL | https://www.regenetiss.co.jp/ |