第一フォーム株式会社
澁谷 正明

潰れない会社

大企業のサラリーマンを経て、賢者は町工場の社長となった。 追い求めたのは、発泡スチロールの可能性。 そんな賢者に過酷な試練が振りかかる。 賢者の挑戦から学ぶ、中小企業の在り方とは?

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賢者プロフィール

氏名 澁谷 正明
会社名 第一フォーム株式会社
出身地 神奈川県
出生年 1967年
趣味 ゴルフ、フラッグフットボール
特技 どこでも寝る
休日の過ごし方 スポーツ・友人と飲む
座右の銘 比較すべきは他人ではない。昨日の自分自身である。
好きな食べ物 トンカツ・生姜焼き・豚の角煮
尊敬できる人 両親、物事を頑張っている自分以外の人全て

賢者ヒストリー

  • 幼少期~学生時代

    父は川崎で梱包資材を加工する工場を経営していました。私は次男として生まれ、幼少期はとにかく暗くなるまで友達と遊んでいるような活発な子供でした。行事で知り合いの人が家に来た時、父が皆から「社長」と呼ばれており、自分の父は社長なんだと認識しました。しかし私が物心がついた頃には、会社経営がうまくいかず最終的に会社は倒産してしまいました。車を売ったり、家が差し押さえで引っ越しせざるを得なくなったりもしました。小さいながらに私は「会社というのは潰れることもあるのか」と実感したのを今でも覚えています。

  • 社会人時代

    就職時期はいわゆるバブル期で、また体育会ということもあり、就職企業は実際選び放題だったという記憶があります。結局当初の希望であった旅行会社(JTB)に入社しました。1年目から支店の重要顧客である某放送局を中心に担当を任され、出張・海外取材のアレンジなど法人営業をしていました。今のようにIT化が進んでおらず、もちろんインターネットがない時代でしたので、朝一会社に行って夜終電後に帰るといった毎日を過ごしていました。その際お世話になった上司が尊敬している方で、旅行業というのはサービス業なので、相手に喜んでもらうということが大事ですが、その前に自分自身が楽しんでやっているかどうかが大事だと教わりました。ご飯を食べる暇もなく、時に忙殺されそうにもなりましたが、とはいえ仕事はすごくやりがいがあり楽しかったです。相手の求めているニーズをきちんと汲み取る、理解しようとするということが大事だと学び、それを意識して相手の都合を考え、適切な提案をし効率的に結果を出していきました。JTBでのこの営業の経験は、後の会社経営に大変役立ちました。

  • 社長就任のきっかけ

    当時35歳、社長に就任する前は外資系のウイルスソフトの会社に在籍していましたが、管理職を任されそうになり、中間管理職はしたくなかったので、ならば家の会社を継いで、自分の裁量で全てやってみたいと思うようになりました。私は起業ではなくて、いわゆる家業承継となります。ですので、起業する方のエネルギーとは全く違うものがあったと思います。当時父が2つの会社の代表をしていました。私は家業承継の条件として、すぐに代表になるという事を父に言っていました。よくある2代目がいつまでも専務で、創業者がずっと元気すぎて、結局最終的に2代目が諦めてしまったりというようなケースを見ていたからです。なので、2002年に入社し、次の年度には代表取締役となりました。

  • 現在の事業

    当時、収縮していく市場をおいかけても、価格競争に巻き込まれてしまうという危惧がありました。就任前までの早い!安い!などのやり方は最終的にうまくいかないと思い、別の市場にニーズを見出していかなければならないと、試行錯誤を続けました。就任してから5年くらい経った2008年ごろ、他業界の経営者の方と組んで面白いものを作ろうと新たな取り組みをはじめました。一緒に仕事しながら、お互い有益なノウハウを共有していき、今につながっていきました。経営においては、人に喜んでもらえる事、役立つ事、必要とされる事を仕事にして、企業としてもしっかりと成立する事が大事だと思っています。また私は父が過去に会社を倒産させてしまった事を経験しています。財産差し押さえや、自宅追い出しなどを実際に目の当たりにしたので、どんなに綺麗事を言っても会社が潰れてはいけないと思っています。だからこそ、「潰れない会社」を理念とし、他社がやらない加工や市場に打って出て差別化を図り、持続的成長を目指しています。技術力・製品力はあって当たり前です。町工場だからこそ、加工技術以外にお客様への対応力、いわゆる「ハード」ではなく「ソフト」の部分を大事にしており、お客様がどのようなものを望んでいるかを的確に把握することに注力しています。

  • 今後の展望

    ものづくりの会社としてクオリティが高いのは当たり前ですが、製品を見て自分たちで作れるんじゃないかとお客様に思わせてしまうとプロとしてはダメで、常にお客様の期待を超えるもの、お客様の本当に必要なものに届くものをつくるのがプロだと思っています。今後は中小企業であっても、自社の歴史や理念・ポリシーなどの独自性をPRし差別化を図っていくなど、受け身の姿勢ではなくとにかく攻めていかないとダメだと思っています。「潰れない会社」という理念は、父の経験を念頭においてのことですが、いつも危機感を持って経営をしていかないと自分自身も気持ちが緩んでしまうので、ギリギリまでいろんなこと可能性を考えてベストな結論を出したいと思っています。以前アンケートをお客様にとったことがあり、その際、多くの方が「スタッフ・会社の対応が良かった」という回答を頂きました。だからこそ、そのような「対応力」「人間力」を今後も大切にしていきたいと思っています。皆さんに愛される、必要とされる、役にたつ会社にしていく事が私の今後の目標です。

  • 若者へのメッセージ

    今は仕事って色々あると思います。特に若い人には働き方も多種多様で、昔はなかったインターネットの事業、ベンチャー企業などあり選択肢は多いです。選択肢が広いが故に、「どういった仕事をするのか」「今の仕事合ってるのかな」「将来大丈夫かな」と思いながらやってる人もいると思います。私自身今も悩みながらやってますし、立場が違えど、悩みはそれぞれ沢山あるはずなんです。でも結局は、どう楽しんでやっていくか。「何のために」「誰のために」と考えはじめるより、どれだけ「今目の前にある仕事を一生懸命やっているか」が大事です。それを積み重ねていくからこそ、次のキャリアにつながり道が開けるのだと私は思います。受け身の人にはチャンスは生まれません。悩んでいる時には、受け身でなく主体性を持って目の前に取り組むと良いと思います。

会社概要

企業名 第一フォーム株式会社
所在地 神奈川県横浜市都筑区大棚町631-1
業種 製造
設立 1986年
資本金 1,000万円
従業員 4名
事業内容 発泡スチロール加工、オブジェ・ディスプレイ製作等
URL https://www.daiichi-foam.co.jp

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